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生活習慣病

LIFESTYLE DISEASE

生活習慣病について

生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病など)は、かつて「成人病」と呼ばれ、日々の食生活や運動、喫煙、ストレスなどが深く関わって発症します。特徴は「自覚症状がほとんどないこと」。放置すると血管が傷つき、脳梗塞や心筋梗塞といった重大な病気を引き起こす原因となります。当院の治療のゴールは、数値を下げることだけでなく、「10年後、20年後も健康に過ごすこと」です。

管理栄養士による食事指導

当院では、第1・第3金曜日の午前に、管理栄養士による専門的な食事指導を行っています。糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病において、日々の食生活の改善は治療の大きな柱となります。指導では、単に「制限」を強いるのではなく、患者さんのライフスタイルに寄り添った「無理なく楽しく続けられる工夫」を具体的にご提案します。食事指導を希望される方は窓口までお申し付けください。

対象となる主な疾患

高血圧

高血圧は、血管に常に強い圧力がかかっている状態のことです。自覚症状がほとんどないまま進行するため、「サイレントキラー(静かなる殺人者)」とも呼ばれます。

基準となる数値

血圧が、以下の数値を超える場合に高血圧と診断されます。
最高血圧:140mmHg以上
最低血圧:90mmHg以上

高血圧を放置するリスク

血圧が高い状態が続くと、血管は常にダメージを受け、厚く硬くなっていきます。これが動脈硬化です。動脈硬化が進むと、以下のような命に関わる合併症を引き起こす原因となります。

  • 脳梗塞、脳出血など、脳への影響
  • 心筋梗塞、狭心症、心不全など、心臓への影響
  • 慢性腎臓病など、腎臓への影響

脂質異常症

脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が多すぎたり、少なすぎたりする状態のことです。以前は「高脂血症」と呼ばれていましたが、現在は善玉コレステロールが低いケースも含めて「脂質異常症」と呼ばれています。
高血圧と同様、自覚症状がまったくないまま進行し、ある日突然、血管のトラブルを引き起こすのが特徴です。

3つのチェックポイント

健康診断の結果で、以下の数値に注意が必要です。

LDL(悪玉)コレステロール増えすぎると血管の壁に溜まり、動脈硬化を進行させます。
HDL(善玉)コレステロール血管に溜まった余分な油を回収する役割です。低いと危険です。
TG(中性脂肪)食べ過ぎや飲み過ぎ、肥満で増えやすく、動脈硬化を悪化させます。

動脈硬化のリスク

血液中の余分な脂質は、血管の壁に入り込んで「プラーク」というコブを作ります。これにより血管が狭く、硬くなるのが動脈硬化です。プラークが破裂して血管が詰まると、以下の重大な病気を引き起こします。

  • 心筋梗塞、狭心症など、心臓の病気
  • 脳梗塞など、脳の病気
  • 閉塞性動脈硬化症など、足の病気

糖尿病

糖尿病とは、血液中の糖分(血糖値)を調節する「インスリン」というホルモンが十分に働かなくなり、血糖値が慢性的に高い状態が続く病気です。
エネルギーとして使われるはずの糖が血液中に溢れ出すことで、全身の細い血管や神経にじわじわとダメージを与えていきます。初期は自覚症状がほとんどありませんが、放置すると深刻な合併症を招く恐れがあります。

糖尿病の慢性合併症

糖尿病の怖さは、長期間の高血糖によって引き起こされる合併症にあります。頭文字をとって「し・め・じ」や「え・の・き」と覚えられます。

細小血管の障害

【し】神経障害
3大合併症の中で、最も早く症状が出ることが多いのが神経障害です。足の怪我に気づかず放置してしまい、壊疽(えそ)につながる恐れがあります。また、立ちくらみや便秘などの自律神経症状が出ることもあります。

【め】網膜症
目の奥にある「網膜」という膜の血管がボロボロになる病気です。日本における成人の失明原因の第2位です。自覚症状が出てからでは手遅れになることが多いため、定期的な眼科検診が不可欠です。

【じ】腎症
血液の汚れをろ過する「腎臓」のフィルターが壊れてしまう病気です。腎臓の機能が失われると、最終的に血液を機械で浄化する「人工透析」が必要になります。現在、透析導入の原因第1位は糖尿病です。

大血管の障害

【え】壊疽
足の太い血管が詰まって血流が途絶え、組織が腐ってしまう状態です。糖尿病の方は痛みを感じにくい(神経障害)ため発見が遅れやすく、最悪の場合は切断が必要になることもあります。

【の】脳卒中
脳の血管が詰まる「脳梗塞」や、破れる「脳出血」を指します。半身不随や言語障害などの後遺症が残るリスクが高く、生活の質(QOL)に大きく影響します。

【き】虚血性心疾患
心臓に酸素を送る血管が狭くなったり詰まったりする「狭心症」や「心筋梗塞」のことです。糖尿病があると、心筋梗塞が起きても痛みを感じない「無痛性心筋梗塞」になることがあり、非常に危険です。

高尿酸血症(痛風)

高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が基準値(7.0mg/dL)を超えている状態です。この状態が続くと、血液に溶けきれなくなった尿酸が結晶化し、関節のあちこちに溜まっていきます。
ある日突然、その結晶を体が異物とみなして攻撃することで起こる激痛が、有名な「痛風発作」です。

痛風発作について

足の親指の付け根、足首、膝などが赤く腫れ上がり、激しい痛みが生じます。24時間以内に痛みのピークを迎え、1~2週間で落ち着くことが多いですが、放置すると発作を繰り返すようになります。

高尿酸血症を放置するリスク

高尿酸血症の本当の怖さは、関節の痛みだけではありません。尿酸の結晶は全身の血管や臓器にも悪影響を及ぼします。

腎臓へのダメージ(痛風腎)尿酸の結晶が腎臓に溜まると、腎機能が低下し、将来的に人工透析が必要になるリスクがあります。
尿路結石尿の通り道に石ができ、背中から脇腹にかけて激痛が走ることがあります。
血管へのダメージ高血圧や脂質異常症と同様、動脈硬化を促進し、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めます。

脂肪肝・肥満症

「少し体重が増えただけ」「お酒の飲みすぎかな」と軽く考えられがちな脂肪肝と肥満症。しかし、これらは放置すると全身の血管をボロボロにし、深刻な病気を引き起こす「生活習慣病の源流」です。

脂肪肝

脂肪肝とは、肝臓の細胞の中に中性脂肪が過剰に溜まった状態です。食事で摂ったエネルギーが使い切れず、肝臓に「貯金」されてしまった状態と言えます。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、かなりのダメージを受けるまで痛みがありません。

脂肪肝を放置すると、肝臓に炎症が起きる「脂肪肝炎」から「肝硬変」、さらには「肝臓がん」へと進行する可能性があります。また、脂肪肝がある人は、糖尿病や心血管疾患のリスクが数倍高まることがわかっています。

肥満症

医学的に、BMI(体重kg÷身長m÷身長m)が25以上を「肥満」と呼びますが、その中でも「健康を害している、またはそのリスクが高い状態」を肥満症という「病気」として診断・治療します。お腹周りに脂肪がつく「リンゴ型肥満」は、血管を傷つける物質を放出し、高血圧や糖尿病を悪化させます。